沖縄と暮らす

琉球音楽に癒されながら、気分もスッキリ♪〜東京で通える琉球舞踊教室

出会いは突然やってきました。
「なんくるないさ ハッピークラブ」(※1)の懇親会でご一緒した赤嶺姉妹。
姉・奈津子さん、妹・真希さん、姉妹揃って琉球舞踊の先生であり、東京でお教室をやっていらっしゃるとのこと。

あーゆーと私くーみー、早速食いつきました(笑)

くーみー
くーみー
どういうお教室なんですか?

赤嶺姉妹
赤嶺姉妹
趣味程度に軽く習いたいという方も、ガッツリ学びたいという方も、どちらでもお受けしています!
最初は趣味程度に・・・と思っていても、やっていくうちに本気度が高まり、コンクールにエントリーするまでになる方もいらっしゃるんですよ。

あーゆー
あーゆー
気軽に通えて「沖カツ」できるなら、色んな人に知ってほしい!
お教室に見学に行かせてもらっても良いですか??

赤嶺姉妹
赤嶺姉妹
ぜひぜひどうぞ〜!!

そんな流れで、あっという間に訪問日が決定!
後日、五反田にあるお教室へ伺ってきました・・・

今回の記事では、

  • 琉球舞踊って何?
  • 琉球舞踊の魅力とは?
  • 琉球舞踊を習うメリット

について、赤嶺姉妹へのインタビューと、あーゆー&くーみーの感想を交え、ご紹介していきます。

「ハードルが高そう」と思われがちな琉球舞踊ですが、基本的な成り立ちや楽しみ方がわかれば、グッと身近に感じるはず。
そして、琉球舞踊の世界には踊りを習得するだけではない魅力が沢山詰まっているようです ^ ^

琉球舞踊って、そもそもどんな踊り?

大きく3つに分かれます

古典舞踊
Copyright: Okinawa Convention&Visitors Bureau

15〜19世紀にかけての琉球王朝時代、中国からの使者を歓待するための余興として、古典音楽・古典舞踊は宮廷内で発展しました。
使者の歓待は国家の一大事業と位置付けられていたため、士族の中でも選ばれし者だけが踊ることができ、踊り手は全て男性です。
中国や日本の芸能文化をうまく取り入れながら独自に発展し、様式美と高い品性を持つ伝統芸能として、今日にも受け継がれています。

雑踊り(ぞうおどり)

1879年に廃藩置県を迎え、琉球王朝が解体されます。
それに伴い 士族たちは職を失い、次第に 芝居小屋にて、一般民衆を相手に入場料を取って演じるようになっていきました。
そうした中で 庶民の間で広まっていた民謡や風俗を取り入れた、新しい踊りを生み出すことになるのですが、それが雑踊りです。
優雅で格調高く、抑えた動きのなかに美しさを際立たせる古典舞踊とは対照的で、軽快なリズムに乗って明るく踊る雑踊りは、庶民芸能として人気が高まり定着していきました。

創作舞踊

戦後に生まれた現代舞踊を総称して「創作舞踊」と呼んでいます。

琉球舞踊教室 @東京五反田

いざ、お教室へ潜入!

お教室は 都営浅草線 高輪台駅、JR・浅草線 五反田駅から歩いて数分の所にあり、とても通いやすい場所です。
レッスンスタジオも明るく清潔。気持ちよくレッスンに集中できそうな雰囲気でした。

稽古はどんな風に進むの?お教室の特徴は?

下手側からステージ入りするイメージ

練習着と足袋を身に付け、いざ稽古スタート。
いま通っていらっしゃる生徒お二人はコンクール受賞歴もある方々ですので、音楽に合わせたお稽古が早速始まりました。
この日は、「かぎやで風節」(かじゃでぃふうぶし)という、お祝い事の幕開け曲としては欠かせない古典舞踊と、
「加那よー」(かなよー)という、軽快なリズムで若い男女の恋を歌った民謡の踊りを、踊ってくださいました。
姉・奈津子さんが主な指導を務め、妹・真希さんが生徒さんと同じ並びで踊ってみせるスタイルが多いようです。

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
一番最初に教える曲はかぎやで風節です。
この曲には琉球舞踊の基本が沢山詰まっているので、これを踊れるようになれば、他の曲も踊りやすくなります。
体験レッスンでも、この曲をやります。
見よう見まねで一緒に踊り、まずは琉球古典舞踊の奥深さ・面白さを体験してもらえればと思っています。

妹・真希さん
妹・真希さん
私たちのお教室では古典舞踊と雑踊り(ぞうおどり)のどちらの踊りもやりますが、基本はやはり古典。
古典舞踊の基礎が身につけば 何を踊っても「型」が決まるため、基礎をしっかり教えることを意識しています。

お教室の日程や頻度は?

あーゆー:お稽古の曜日や時間帯はどのように設定していますか?

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
 基本的には週に1回です。
ホームページで公式にご案内しているのは、 火・木曜日 16:00〜、そして土曜日 12:00〜ですが、ご要望に応じて極力調整しますので、先ずは体験会にいらしてみてください。

妹・真希さん
妹・真希さん
「結婚式で踊らないといけないから、『かぎやで風節』だけ踊れるようになりたい」
「カチャーシーだけ教えて!」
なんていう単発レッスンでもOKです!
琉球舞踊に触れる方が少しずつでも増えて、裾野を広げていけるのであれば嬉しいです。

琉球舞踊の世界へ 足を踏み出そう

全ての基礎は古典にあり

くーみー:終始中腰、すり足で進み 前方に重心を置きながら踊る古典舞踊の姿勢は、体の芯をしっかり感じる踊りだなぁと思うし、見るほどに清々しさを感じます。
古典舞踊の特徴を教えてください。

妹・真希さん
妹・真希さん
すり足、前重心 といった所は、能楽に近いかもしれません。
女踊りは「丸みの中に芯」があり、男踊りは「どっしりと構えた芯がありながら、そこに丸みを出す」踊りだと言われます。
日本舞踊のように後ろ側に重心を置いたり 首を傾げるといった動きはなく、基本的に斜めの姿勢を取ることはありません。 

岡本太郎氏の言葉を借りると、「客に媚びない踊り」です。
お客様の方を意識せず、踊り手が自分自身と対話・対峙しているかのような品格があります。

「習う」魅力とは?

あーゆー:習い始めたきっかけや魅力について、生徒さんのお声を聞かせてください。

生徒・松川さん
生徒・松川さん
姉・奈津子さんの同級生でウチナーンチュですが、小さい頃は踊りは習っていませんでした。
「大人になってからでもできるから大丈夫」と言ってもらったことが習い始めたきっかけです。
「やるからには本気でやろう」と意気込み、取り組んでいます。

生徒・加藤さん
生徒・加藤さん
ストレス解消のために、とあるカルチャースクールで琉球舞踊を習い始めましたが、きちんと基礎を習いたいと思っていたところに赤嶺姉妹のお教室があることを知り、入門しました。
踊り方・所作、衣装や髪型など、踊りに関すること全てに琉球歴史や文化が紐づいていて、その奥深さに魅了されています。

くーみー:松川さん・加藤さんは沖縄や琉球舞踊に何らか縁があって入門されたようですが、「琉球舞踊を知らない」という方にオススメしたいポイントは何ですか?

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
 古典舞踊は特に、ヨガでいう「瞑想」に近い感覚があるのではないかと思っています。
頭を空っぽにして、自分自身の呼吸を感じながら集中していく気持ち良さがあるんです。
踊り終わった後には開放感があり、ストレス解消としてもとってもオススメです。
都会で住んでいる方こそ、こういう時間が必要なんじゃないかなぁと思います。

あーゆー
あーゆー
確かに、古典音楽を聞いているとリラックスして眠たくなる時がある〜!(笑) 

くーみー
くーみー
脳のデトックス!(笑) 

妹・真希さん
妹・真希さん
踊りを続けていると集中力や忍耐力も高まるし、人前で舞台に立つことによって自信にも繋がるので、お子様の習い事にも良いですよ。

「観る」魅力とは?

あーゆー:琉球舞踊を鑑賞する時の見所や、ビギナーが楽しめるためのポイントを教えてください。

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
曲のストーリーに基づいた振り付け・所作であるため、演目が事前にわかるようであれば、その曲のストーリーを把握しておくと、より楽しめるのではないかと思います。 

妹・真希さん
妹・真希さん
 衣装や髪型、踊りの全てが流派によって違うため、その辺りも楽しんでほしいです!

あーゆー:12月には姉妹公演もありますね。

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
念願叶っての姉妹公演、12月8日(日)は東京にて、15日(日)は沖縄にて行います!!

妹・真希さん
妹・真希さん
衣装の素晴らしさも琉球舞踊の大きな魅力です。
今回の舞台用には、大宜味村・喜如嘉(おおぎみそん・きじょか)の芭蕉布や南風原町の琉球絣、紅型の衣装を用意しました。
紅型は30代の若手作家さんに依頼したんですが、同年代の作家さんとともに私たちも一緒に成長しながら、伝統を継承していけたらと思っています。

  • 東京公演
    ・ 2019年12月8日(日)18:00開演
    ・ 紀尾井ホール(東京都千代田区)
  • 沖縄公演
    ・ 2019年12月15日(日)18:00開演
    ・ 国立劇場おきなわ(沖縄県浦添市)

最後に

あーゆー:最後に、お2人からのメッセージをお願いします。

姉・奈津子さん
姉・奈津子さん
 6歳の頃、アクターズスクールに連れて行ってもらえるのかと思いきや、母に連れて行かれたのは琉球舞踊の道場!!(笑)
「え〜!!」と思いながらのスタートでしたが、今では教える立場に。
高校生の時の修学旅行で訪れた京都のお寺で、伝統文化を守ることの尊さ・必要性を肌で感じ、「私も琉球伝統文化を守っていきたい」と触発されたことが、本気で取り組んでいこうと思ったきっかけでした。
東京という場所で、世界に誇れる琉球伝統文化・舞踊を広めていき、赤嶺姉妹の看板を掲げた専用お教室を開くことが近い将来の目標です。

妹・真希さん
妹・真希さん
この度の首里城の火災には、私たちは本当に心を痛めています。
首里城を舞台に何度となく踊ってきましたので、私たちにはかけがえのない場所です。
首里城は消失しても、舞踊という伝統芸能は消えないし、むしろより発展させていきたいと思いを新たにしています。
こういうタイミングで姉妹公演ができるという使命を感じながら踊りますので、ぜひお越しください!

くーみー:奈津子さん、真希さん、有難うございました!

お2人とも とーってもチャーミングで芯のしっかりした、魅力溢れるウナイ(姉妹)です。
教え方も親身で丁寧。
琉球舞踊のハードル、想像以上に低いと思います!
お教室も公演も、ぜひお気軽に足を運んでみてください。

赤嶺姉妹 公式ホームページ

※ 1「なんくるないさハッピークラブ」とは、県出身者や沖縄好きが集う会で、誰でも参加可能です!ぜひ仲間になりましょう ^ ^