沖縄を知る

沖縄料理のポイントを押さえて、カラダに優しい時短メニューを

様々なレシピサイトには、沖縄料理や沖縄食材を使ったレシピが数多く掲載されています。
例えば「人参しりしりーが食べたいな」と思えば、スマートフォンやパソコンで検索し、材料や手順を調べるでしょう。

ところで、レシピを調べたり調理する中で、

「沖縄料理は体に良いというイメージがあるけれど、何がポイントなの?」
「沖縄食材を使わないと実践できないの?」

と疑問を持たれたことなはいでしょうか?

確かに、沖縄産の食材を使う方が、より沖縄の味が出やすい、栄養価が高い、そういう面もあるかもしれません。

ですが、沖縄の食材や調味料を取り寄せたり遠いところまで買いに行かなくても、「沖縄料理・調理のざっくりポイント」を押さえれば、健康長寿を支えてきた琉球料理の知恵を身につけることができます。
また、家庭料理ならではの伝統的な時短メニューもあるんです。

健康長寿を支えてきた琉球料理の知恵〜ざっくりポイント〜

よく使う食材

  • 野菜(夏はゴーヤー、冬は島人参 など)
  • ビタミン・ミネラル豊富で香りのある野草、ハーブ(ヨモギ、ショウガ、ウコンなど)
  • 海藻
  • 豆腐
  • (かつては)芋が主食であった

豚肉は沖縄の四大食材の一つですが、昔は一般庶民にとってはとても貴重なご馳走であり、特別な日にいただくものでした。
また、あまり食べる習慣がなかった食べ物は塩辛い漬け物です。

調理法

  • 出汁の旨味・酢の酸味で減塩に
  • 豚肉は一度茹でて、余分な脂肪分を落としてから調理する(茹で汁は出汁として再利用)
  • 【琉球家庭料理の知恵】一つの料理に食材を色々と加え、一皿で栄養を補完する

沖縄で「出汁」といえば、鰹出汁と豚出汁(豚をコトコト茹でて取る出汁)が2大出汁です。(昆布もよく使いますが、料理にして食べる方が主です)
出汁をしっかりと効かせることで、少ない塩分量でも旨味の力で美味しく感じられます。
また、酢の物もよく食べますが、同じくお酢の酸味・香りを生かすことで塩分や糖分を抑えます。
酢の物の合わせ酢に鰹出汁を少し加えるのも、沖縄流です。

調味料

  • 塩味の基本は、塩と味噌
  • 砂糖は料理と好みにより、白糖と黒糖の使い分け

ラフテーなど、しょうゆを使う料理ももちろん有りますが、塩で味を決める料理は多いです。
沖縄料理を作っていて、「ちょっと味が薄いんだけど、塩としょうゆとどちらを足す?」と迷った場合は、先ずは塩で調味してみてください。
沖縄らしい味に仕上がります。
また、味噌汁や味噌煮込み、酢味噌和えなど、味噌も多用します。

ちょい足し栄養習慣&下ごしらえを楽にするマスト調理器具

冷凍小分け!モズクをちょい足し

味付けされていないモズクは冷凍保存可能なことをご存知でしょうか?
洗って(塩蔵モズクであれば塩抜きして)水気を切ったものをザクザクっとカットし、小分けして冷凍しておけば、ポン酢をかければ直ぐに食べられるほか、味噌汁に入れたり炒め物に入れたり、色んな使い方ができます。
ミネラルや食物繊維が豊富なモズクを日常的に摂取するお手軽な方法です。

包丁要らずの「しりしりー器」

「人参しりしりー」のしりしりーとは、「卸す、すり卸す」という意味で、しりしりー器といえば細切りにする卸し金のことです。
これがあればあっという間に細切りができて、包丁・まな板要らず。
人参しりしりーを作る他、キャロットラペやナムルなどもサッサと作れます。

しりしりー器ですり卸すと、包丁で切るのと違い断面がギザギザになるので、味が染み込みやすくなります。
大根など人参以外の野菜を卸すのにもぜひ。


「おうち沖縄ごはん」時短メニュー

忙しい朝にすぐできる!「カチュー湯」

鰹+湯=カチューユ、家庭料理として根付く、昔ながらの即席スープです。
お椀にたっぷりの削り節と味噌(または梅)を加えてお湯を注ぐだけのもので、鰹節も具としていただきます。
鰹節にこだわれば美味しさ倍増だし、ネギやワカメなどがあれば更に豪華!
写真は味噌と小分け冷凍したモズクを入れています。

「具沢山味噌汁」で一汁一菜

実だくさんの味噌汁はザ・家庭料理の代表格。
街の食堂では大きな丼によそわれた味噌汁がメインの「味噌汁定食」もあるほどです。
具材は自由、卵や豆腐を入れればタンパク質たっぷりの一品になり、主菜を兼ねています。
かつては品数を幾つも作らずともお腹いっぱいになれる、そして必要な栄養を一椀で補完できる理にかなった食事スタイルだったことでしょうが、忙しなく毎日が過ぎていく今の時代にもとても有効です。
献立に頭を悩ませることを止め、彩りの良い実だくさん味噌汁を作って一食とすることも良いのではないでしょうか。

まとめ

沖縄料理そのものを作って食べるだけではなく、調理のポイントを知っていただきたいと思い、今回の記事をまとめました。
特に、

  • 野菜、豆腐、海藻を意識的に多く摂ること
  • 出汁の旨みを効かせて減塩でも美味しいと感じられること

が重要です。

いつもいつも出汁を引くのは面倒ですが、美味しい出汁パックも多数出回っていますし、鰹節や昆布を一晩水に浸けておけば、水出しの澄んだお出汁もできます。
出汁を加えずとも、炒め物や煮物の仕上げに削り節を振り掛けることでも良いでしょう。

健康長寿食・琉球料理の知恵を手軽に、普段の食卓にも生かしてください。