沖縄と暮らす

アロマ・抗菌・消臭・・・効能たくさん、愛ある植物「月桃」

「月桃(げっとう)」という植物をご存知でしょうか?
沖縄に住んだことがある方にはとても身近な植物であり、特にウチナーンチュにとっては身近すぎて、特別とは思っていない(笑)植物でもあります。

鹿児島県あたりが北限とされているためご存知ない方も多いかもしれませんが、月桃を知れば、ココロとカラダに優しい生活を送るヒントになるのではないかと思いますので、この記事でご紹介していきます。
日々の生活に気忙しさを感じている方には特に、月桃の持つ魅力が伝わるのではないでしょうか。

月桃って何?

月桃は台湾、東南アジア、小笠原、沖縄等に分布する、ショウガ科の多年生植物です。
沖縄で見られる月桃は主にゲットウとタイリンゲットウの2種に分けられ、高さは1〜3mほど。
春から夏の初め頃に可愛らしい花をつけます。

期待できる主な効能

  • 消臭作用
  • 抗菌作用
  • 防虫作用
  • 抗酸化作用によるエイジングケア効果
  • 香りによるリラックス効果
  • 健胃整腸作用(根茎や種子部分)

これらの効能を生かし 食べ物を包んで傷むのを防いだり、干した葉をタンスに入れて虫除けや消臭剤として古くから活用されてきました。
また、繊維の丈夫さを生かし ハガキや便箋などの紙製品も作られています。

(17年前の従兄弟の写真を借りてきました)

沖縄で月桃が最も消費される時期は旧暦の12月8日、「ムーチーの日」と言われる年中行事の頃です。
月桃の葉で包んで蒸したお餅(=ムーチー)を作って、1年の厄を払い、また、子供の歳の数だけムーチーを吊り下げ、健やかな成長を祈願します。
蒸された月桃の葉は甘く芳醇。ほんのりスパイシーな香りが立ち、「葉の香りを味わう」お餅でもあります。

どうやって使う?楽しむ?

香りを「味わう」

入手しやすいアイテムは「月桃茶」です。
葉を乾燥させたもののほか、実(種)を使ったものも。
月桃にはポリフェノールが豊富でエイジングケア効果が期待できるだけではなく、ノンカフェインですので、日常の水分補給にもぴったり。
水出し、お湯出し(お湯を注ぐ)、煮出し(水に入れて煎じる)といった抽出の仕方で風味も変わってきますので、お好みの方法でお召し上がりください。

また、ちょっとアレンジして月桃茶を蒸し料理や煮物に入れてみるのも良いでしょう。
茶葉を敷いた蒸し鍋に 塩を振った鶏肉を乗せ、20〜30分蒸す「蒸し鶏」はとても簡単。
月桃の香りが立ち、ひと手間加わった食卓を演出できます。
もし生の葉が手に入るようであれば、葉でお肉を包んだり、葉をお肉の下に敷いて蒸し上げれば、よりフレッシュな香りを味わえます。
電子レンジを使った時短蒸し料理でも、ぜひお試しください。

香りの力を借りる

月桃から採れる精油(エッセンシャルオイル)もあります。
月桃から採れる精油には集中力UP効果やリラックス効果が期待できるとされているため、特別な日のセルフメンテナンスに良いのではないでしょうか。

肌を整える

石鹸、化粧水、美容液、オイルなど、基礎化粧品のラインナップは殆ど揃います。
月桃エキスの抗酸化作用によりシワ、シミ防止の効果も期待できますし、天然素材を使う安心感もまた、毎日を心地よく過ごすことを手伝ってくれそうです。
男性の方も、ぜひどうぞ。

沖縄県外で フレッシュな月桃を入手するには?

葉を取り寄せる

大手通信販売サイトで購入することができます。
もしくは、沖縄にご友人やお知り合いの方がいらっしゃれば、お願いして送ってもらいましょう。
「ムーチー」の時期を除けば入手しやすく、綺麗な葉っぱを調達してくださるのではないかと思います。
葉は水につけておけば2週間以上持つのと、少し色は褪せますが、冷蔵・冷凍も可能です。
細かく切って干し、お茶にしたり、小袋に入れてクローゼットの消臭に使うのも良いです。

苗を育てる

葉っぱと同じく大手通信販売サイトにて購入可能です。
月桃を苗から育てることも可能です。
室内を彩る観葉植物としても、目を楽しませてくれます。

五感で楽しみたくなる「愛ある」植物(まとめ)

  • 香りとともに味わう。
  • アロマに癒される。
  • お肌を整える。
  • 苗を育てて成長を楽しむ。

普段の生活を心地よく過ごすアイテムとして、月桃のもつ自然の力を活用してみてください。

【参考資料】
国立大学法人琉球大学 ウェルネス研究分野ウェブサイト「沖縄の美容・健康素材」
沖縄地域学リポジトリ「[総説]ショウガ科植物ゲットウ、タイリンゲットウの有効利用に関する研究」

※ このコラムに記載した効果・効能は、全てが科学的根拠に基づいたのものではなく、個人的感想も含みます。
※ 月桃の生葉や生花・種子そのものを実食する場合、ならびに食べ物にそれらが直接触れる場合は、食用利用可能であることをご確認のうえご使用ください。
※ スキンケア商品は体質やお肌の状態により合う・合わないの相性がありますので、ご注意ください。